画伯と家族

いつも仕事が午前中の時に外から聞こてくる「メロディー」が、じつはゴミ回収車から聞こえてくる「メロディー」だったことを先程知りました。あの「メロディー」は、出張パン屋さんの車から聞こえていると思いこんでいました。(なぜ確信もないのにパン屋さんと断定できたのか不思議です)朝から思わぬ勘違いに自分で苦笑いしていました。(だって私の住む地域のゴミ収集車と音が違ったからですよ)

さて、我が家は5人家族なのですが、アートに関しては受け継がれたものが二分割されています。一つは旦那、上の子、末っ子と手先が器用で絵が上手なチーム。(なぜか顔も似ています)もう一つは私と真ん中の手先も絵も不器用なチームです。(こちらも顔が似ています)

私に似た真ん中さんは、図工や技術、美術の授業がとても苦手です。そんな真ん中さんが学校の授業で選択したのは、なぜか「美術」。本人いわく消去法で「美術」にしたとのことでしたが、この1年間とても前向きに取組んでいました。でも担当の先生は対応が大変だっただろうな・・・と不憫に思う程の出来栄え作品が、次々と持ち帰られた1年でもありました。

頭のトサカと足、くちばしは横向きなのに、鳥の顔と身体は正面を向いていて、なぜか顔に眉が描かれた謎の物体の総柄エコバック(出来栄えに上機嫌で祖母にプレゼントすると言っていましたが、祖母の為にも辞めた方がいいと思っている私)「鳥を正面から書くのは難しい」と本人の主張。もはやその次元ではない気がしている家族。

玉止めが危うく触るとほどけてしまいそうな裁縫の作品(もはや本人も何を作ったのか分からないそうです)。「玉止めって難しいよね」と作品にフォローする末っ子。「玉止めしたことない」と答える真ん中。しばらく続いた沈黙のあと、深く何かを察した末っ子は、遠くを見ているような顔で「そっか」とつぶやきました。

そんなある日、帰宅すると玄関に謎の絵が飾られていました。ゴッホの絵を模写したようで、真ん中には珍しく色合いも絵柄もとても素敵に出来上がっていました。美術の先生からも褒められたようで、「ゴッホは私に合うみたい」と嬉しそうに話す真ん中。偉大なゴッホ先生、あなたがいてくれてよかったと心から感謝する母でした。

 

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